過去の開明通信で「いじめ」について書かれたものが2つありました。 |
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いじめられている生徒さんは、勇気を出して親に話してください。 今は、つまらない学校生活かもしれませんが、人生は学校生活だけではありません。 これから楽しいことがたくさんあります。必ずあります。 勇気を出して、親に話してください。
親は、「親に話さざるを得ない」ほどのいじめが行われていると受け止め、 わが子を責めないで下さい。 いじめられている子は、「仕返しが怖い」、 「親にいじめられるような子だと思われたくない」(親に心配をかけたくない) などの理由から、少々のいじめでは親に話しをしません。 我慢できるところまで我慢してしまいます。
次に、親は学校に報告してください。 その際、担任だけに話すのはだめです。 電話ではなく、校長、教頭、担任の目の前で訴えてください。
担任の先生だけの報告ですと、その先生に教育力がない場合、 まるで意味を持ちません。悪化する場合もあります。 電話だけの場合も、対応が遅れる可能性が高いので、 親が学校まで出向くことで「事の重大性」を示すのです。
いじめの程度によっては、教育委員会、警察へ連絡してください。 いじめる側がいやがるのは、「事が大きくなること」です。 しかし、「事を大きく」しないといじめはなくならない可能性があります。 内々で処理するケースが、のちに「仕返し」を受けやすいのです。
「いじめ」はいつの時代にも起こります。 原因は様々ですが、教師の不勉強が一番大きな原因だと私は思っています。 この文章を読んでいるご父兄の方は、お子さんの担任の先生にぜひ尋ねてください。 「先生は、いじめについて、どのような教育書をお読みですか」と。 題名と著者がスラスラ言える先生は、勉強熱心な先生です。 1冊の題名も言えず、「昔、読んだんですが題名までは・・・」と ごまかす先生は、不勉強な先生です。 「いじめの構造を破壊せよ」(向山洋一著)がオススメです。
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子どもの命が奪われる可能性があるということから、 子どもが自らの命を絶つ可能性があるということから、“いじめ”は最大級の悲劇です。 にもかかわらず、深刻な“いじめ”は発生し続けています。 今回は、“いじめ”について書きます。
“いじめ”は大事件であり、緊急事態です。いつ、だれがそうなるか分かりません。 人間の脳は、大きくわけて“3つの脳”でできているそうです。 能幹(のうかん)と旧皮質と新皮質です。 能幹は「ヘビの脳」とも言われ、睡眠、呼吸、食欲など、 生きてゆく上で欠くことのできない働きを担っています。
旧皮質は哺乳類が持っている脳で、「ネコの脳」とも言われます。 喜び、悲しみ、怒りといった感情を左右します。
新皮質は「人間の脳」とも言われ、 言葉や知識など、人間の知的活動を担っています。
では、“いじめ”で傷がつくのは、「ヘビの脳」か「ネコの脳」か、 それとも「人間の脳」なのでしょうか? “いじめ”は脳幹(ヘビの脳)を傷つけます。 脳の根幹が傷つくのですから、本能が攻撃されていることになります。 これを“人間の脳”(理性)で押さえ込もうとすると、 人格が壊れる恐れさえ出てくるのです。(精神分裂症など) ですから、ひどいいじめにあっている子に「我慢して学校に行きなさい」は、 あまりにきつい一言です。 ひどいいじめにあっている子に「いじめられるほうにも原因があるのです」と
言うのは、さらにその子の心を傷つけます。
原因などは、二の次、三の次で、まず、 いじめられている子の心を救うのが先決です。 誰にも相談できず、ひとりだけで苦しみ、 あげく自らの命を絶つということさえあるからです。 このような悲劇は、あってはなりません。 その子の苦しみ、さらに、残された家族の悲しみは、想像を絶します。 悲劇は“いじめられた”側だけでは終わりません。 いじめた子が、少年院に送られることもあります。 いじめられた子が自殺でもした場合、 いじめた子の父親は、今の職場にいるのが困難になります。 学校でもうわさはすぐに広がり、 兄弟、姉妹の学校生活にも大きな影響を及ぼします。 引越しを考えなければならないかも知れません。 いじめた子の脳裏にも、家族の脳裏にも決して消えることのない記憶が 一生ついてまわります。
私は以前、いじめが原因で不登校になった子を指導したことがあります。 初めて出会ったときには、不信な目で見られ、 授業ができるようになるまでに1ヶ月ほどかかりました。
ほとんど中学には行ってなかったので、1年の内容からです。 半年ほどたったところで、中学の卒業式でした。卒業式には出ていません。 卒業後は、仙台の大検予備校に通います。 時は流れ、その年の秋。その子は自分の手首をカッターで切ります。 思うように勉強が進められない、人とうまくコミュニケーションがとれない、 意志が弱い、自分はダメだ、自分はダメだ、と思うようになり、 生きる希望をなくしたのだそうです。 大事には至らなかったものの、精神科への入院を余儀なくされ、 何種類もの薬を飲むようになります。 そして、再び私と授業をすることになりました。 鬱(うつ)状態のときもあり、「死にたい」と言われたこともあります。 何と言葉をかけたらいいのか分からず、励ます言葉を知らない自分にいらだちました。 幸い、徐々に、薬を飲まなくてもいいほど元気になりました。 将来の目標もでき、勉強への意欲もわいてきました。 “「死にたい」と言っていた自分が信じられない”、と言うほど、 精神的にも強くなります。 月曜から金曜まで毎日授業をしました。英語も数学も3年内容を終え、 1日に10時間の勉強にも耐えられるようになります。 お父さんと口げんかもできるようになりました。 その子は、見事志望校に合格しました。
しかし、いじめによって人生を変えられたのは事実です。 |
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